岳を全巻読んだ感想
"岳 みんなの山"を全巻読みました。岳の作者は石塚真一先生のです。全18巻なので、休日一日で読めるかなという分量です。
このマンガはタイトルから想像できる通り、山登りがテーマのマンガです。マンガの舞台も、日本の北アルプスの話が大半でした。映画化されているので、聞いたことがあるという人も多いと思います。
私も映画のCMでタイトルを聞いたことがあったのですが、映画を観たことはありませんでした。
このマンガの主人公は島崎三歩という山岳救助のボランティアです。山岳救助のボランティアの主人公と、長野県警の山岳遭難救助隊を中心として、山の遭難や怪我、事故の救助が描かれています。
半分以上は、基本的に一話完結の話です。たまに二話完結の話などもありました。そして、後半は、主人公の島崎三歩が、ある事件をきっかけに別の山への単独登頂を目指す話となっています。
わたしも山に登った経験はありますが、このマンガで登場するような崖を登っていくような山登りはしたことがありません。
山登りのマンガというと、あまりおもしろくないかもって思ってしまいそうですが、あまり山に登ったことがなくても、描かれている人間ドラマは感動できるものが多く、共感できる箇所がいくつもありました。中にはちょっと不思議な感じの話もありましたし、登山者の死が描かれている場合もありました。
山、そして自然の厳しさの一端を感じることもできるマンガなのかなと思います。
また、いろいろな言葉が出てきますが、私が一番好きだったのは、次の言葉です。
山は大小さまざま・・・・・・
何百、いや何千とあって・・・
でも、
一度に二つの
山頂には立てない。
自分の選んだ
一つの山、
一つの方向に
進むしかない。
引用:岳 みんなの山 あの一杯
正直、自分の中に、もやもやした感じの悩みがあった時期にこのマンガを読みました。この言葉には、奮い立たせられるものがありました。ああ、人生も一緒だよなと心の底から思いました。
もうひとつの見どころは、途中から登場するナオタという少年かなと思います。ある事件がきっかけとなって、島崎三歩と交流するようになったナオタが少しずつ成長していく姿を読んでいくのが、私は好きでした。
最後に、後半のエピソード、特に最後のエンディングは賛否両論、意見が分かれる展開となっています。ネタバレになっちゃいますので、詳細は省きますが、最後については、いろいろ考察しているブログやサイトがあるので、全巻読んだ後に、そういった内容を読むと、さらに楽しめるかなと思います。
このマンガは、山登りに興味がある人は読んでおいていいマンガなのかなと思います。他には、人生に迷った人、悩みを抱えている人も読んでみるといいのかなと思います。悩みを解決はしなくても、"カエルでもヘビでも食べて、感動的にしぶとく生き残っていこう"と思えるかもしれません。