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デモクラティアの感想 

デモクラティアの感想 

 最近読んだマンガデモクラティアの感想です。あまりネタバレしないように書いていきます。

 このデモクラティアの作者は間瀬元朗さんでイキガミの著者でもあります。イキガミも読んだことがありますが、イキガミは人間ドラマがとても印象的でした。

さてこのデモクラティアですが、あらすじとしては主人公は理系の前沢です。彼はいわゆるプログラマーです。彼がヒューマノイドを研究している井熊と出会い"ヒトガタ"というヒューマノイドを作製します。そしてこのヒトガタはインターネット上での多数決で動きます。製作者はこのヒトガタは誰もが模範とする指導者的立場にさえのし上がるのではと考えているが、ヒトガタはどう動かされていくのか・・・

全5巻なので、読むのは楽でした。休日に漫画喫茶とかでも読み終えられちゃう感じです。

最初の設定はとても面白いなと思いました。そして、人間と区別がつかないというレベルは難しいのかもしれませんが、実際にできてしまうのではないかと思ってしまえるようなリアリティがありました。

マンガはヒトガタの動きと多数決をする側の人両方に焦点があてられながら進んでいきましたが、人間ドラマは薄めかなと思いました。多数決をする人の過去などにも触れられながら話は進んでいきましたが、多数決という性質からか、あまり深みは感じなかったです。インターネットの掲示板のようなシステムでの会話と多数決で、どうしてもその投票する人がイキガミのように大きく動くわけではないので、人の考えや気持ちの変化が表れにくいというのも深みが出なかった理由なのかなと感じました。

ただ実際にネットで問題になっているような話も取り上げられていて、インターネットを題材にしたマンガという点では、教えられてるところがありそうな感じでした。

ただ、途中で性的なシーンがあって、子供に教育のために読ませるには、少し難しい作品だと思います。中学生の男子とかだったら、興味ももってレベルもあっているのかもしれません。

5巻の表紙で最後の展開が少し想像できてしまったところはありましたが、それでも最後のあたりでは驚きがありました。最後のあたりで明らかになる人物の正体は特に最近話題になっているだけにちょっと考えさせられるものがありました。ただ、ラストは真新しさはなかっとというか、こういった作品にありがちといえばありがちな感じになっているのが残念でした。

リアリティのあるSFが好きだったら、読んでみると面白いと思えるのではないかなあと思います。あと、ヒューマノイドを実際に研究している人は、この作品を読んでどう感じるのか聞いてみたいです。